鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第63話「扉の向こう側」

お父様に取り込まれたグリードは、その体を硬化能力でボロ炭に！
しかしお父様に引きずり出され、消されてしまいます・・・
グリード｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡

「充分だ・・・ああ充分だ
もうなんにもいらねーや
じゃあな、魂の、友よ」

グリードはずっと求めていた仲間を最期に守ることができて、満足して消えていきました。
大総統もそうだったど、生まれ方はどうであれ、満足して生きた人の散り際は美しいですね。

そして求めたものを最後まで得られなかったフラスコの中の小人。

「私は知りたかった、この世の全てを・・・
何者にも縛られずに、自由に、広い世界に・・・」

ホムンクルスも人間も、己では払うことの出来ない対価以上のものを欲しがる生き物。
求めることは悪じゃない。自分でなにも支払わずに得ることができないだけ。
ここは最後まで一貫してましたね。世界はそういう風に出来ている。

フラスコの中の小人の前に現れたのは、真理。
世界と呼ばれる存在。あるいは宇宙、あるいは神、あるいは全、あるいは一。

「そして、私はお前だ
思い上がらぬよう、正しい絶望を与えるのが真理」

真理は、自分なんですね。
自分が世界の一部であるように、真理もまた自分と繋がった存在。
自分を裁くことができるのは、自分。
自分の絶望を知っているのも、自分。

思い上がった者に絶望を与えるのだと言えば、それは自分にも降りかかってくる。
フラスコの中の小人に与えられた絶望は、生まれた場所へ帰ること。
世界をただ羨ましいと眺めていた孤独の中へ。

もしフラスコの中の小人がもっと世界をちゃんと見ていれば、欲望では量れないものがあると気付けたのかな・・・
世界の美しさも、人の力の根源も、知りたくてたまらなかったものは目の前にあったのに、いくら力を手に入れても見ようとしなければ見えなかった。
せっかく外に出れても、結局息苦しいフラスコの中にいるのと同じだった。
世界をどう捉えるかは、自分を見つめること抜きにはできないのかな。
なんか可哀想になっちゃいますね(´；ω；｀)


戦いは終わり、残されたのはアルフォンスの体を取り戻すこと。
誰も犠牲にしないと決めたのだから、賢者の石は使えない。
ホーエンハイムは、父親として自分の命を差し出す覚悟でした。

「父親だからだよ・・・必要とか理屈とかじゃない
お前たちが必要なんだ。幸せになってほしいんだ
最後くらい、父親らしいことをさせてくれ」

「バカ言ってんじゃねぇよクソ親父！
２度とそんな事言うな、はったおすぞ！」

エドがこんな子供みたいに泣くなんて・・・
やっと父と子になれた瞬間ですね｡ﾟ( ﾟ´д｀ﾟ )ﾟ｡

「ちょっと行って来るわ！鋼の錬金術師、最後の練成にな！」

エドが代価として差し出したのは、自らの真理の扉。
その扉の向こうには、錬金術の全てがある。

錬金術が全てを解決するのではなく、なにかを成すのは人間自身。
錬金術があっても、人間は人間でしかない。

「錬金術がなくても、みんながいる」

一は全。全は一。
それが真理の求める答えでした。
意外と物分りがいい真理でしたｗ

真理を理解するのは、実はそんなに難しいことではないのかもしれないですね。
人も世界の一部である以上、最初からその身に備わっているものなのかも。
でも気付けるか気付けないかは大きな差です。
そこに到達できたのは、仲間がいたから。

アルを連れ、戻ってきたエド！

みんながいたから戻ってこれた、みんなで得られた勝利が感動的。
軍を掌握したロイ・マスタング大佐たちにより、軍上層部の暴走として事態は収拾。
キング・ブラッドレイ大総統の正体も伏せられ、結果的に名誉も守られることに。
赤ちゃんになったプライドは大総統夫人のもとへ。


フラスコの中の小人を生んでしまったホーエンハイムの罪。
でもホーエンハイムが生んだのはそれだけではなくて、この世界で家族というたった１つの愛を育むこともできた。
長かった旅を終え、ホーエンハイムは妻トリシャの墓の前で・・・
その顔はとても幸せそうで・・・｡・ﾟ・(*ﾉД`*)・ﾟ・｡
もうこの作品のもう１人の主人公といってもいい感じですｗ


とても美しい人の絆、生き様でしたね。
こんな生き様を見せられたら、命は素晴らしいと素直に思わせられます。
長く続いてきた作品だけに感慨もひとしお。
EDがホーエンハイムバージョンなのも泣けますね・ﾟ・(ｐﾟДｑ｀*)・ﾟ・
次回は幸せなみんなのその後を描いて、笑顔で締めくくってほしいですね！



　

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